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植物の生育に不可欠な肥料と、その他微量要素

更新日:7月28日


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植物の「三大栄養素」について、詳しくご紹介しますね。これは植物が健全に育つために欠かせない基本の肥料成分で、「窒素(N)」「リン酸(P)」「カリウム(K)」の三要素です。それぞれが果たす役割は異なり、バランスが崩れると生育障害につながることもあります。




🧪窒素(N):葉や茎の成長に欠かせない


  • 主な働き:葉や茎の成長を促し、植物の緑を濃くする。

  • 影響:不足すると葉が黄変したり、成長が遅くなる。逆に多すぎると葉ばかりが茂り、花が咲きにくくなる。

  • 含有肥料例:尿素、硝酸アンモニウム、鶏糞など。


🌸リン酸(P):花・実・根の発達に必要


  • 主な働き:開花や結実を促進し、根の発育を助ける。

  • 影響:不足すると花つきが悪く、根が弱くなる。過剰でも大きな害はないが、他の栄養吸収を妨げることがある。

  • 含有肥料例:過リン酸石灰、骨粉など。


🍠カリウム(K):全体の健康を支える


  • 主な働き:細胞の代謝を助け、病気への抵抗力を高める。特に果菜類や球根植物には重要。

  • 影響:不足すると葉の周囲が枯れたり、茎が弱くなる。適量を与えることで耐寒性・耐暑性もアップ。

  • 含有肥料例:塩化カリウム、硫酸カリウム、草木灰など。


例として、ダリアやブルーベリーは、それぞれリン酸とカリウムを好む植物です。ダリアは開花が重要なのでリン酸強め、ブルーベリーは根の環境に敏感なので、カリウムでストレス軽減が狙えます。


🌸植物にとっての「微量要素(副栄養素)」

(窒素・リン酸・カリウム)は主役ですが、脇を固める「微量要素(副栄養素)」もとても重要です。微量とはいえ、その働きは代謝や酵素の活性化など、非常に繊細かつ不可欠な役割を果たします。


🧬主な微量要素とその働き

元素名

主な働き

不足時の症状

主な供給源

鉄(Fe)

葉緑素の生成に関与し、光合成を助ける

新芽が黄化(葉の葉脈だけ緑)

硫酸鉄、キレート鉄

マグネシウム(Mg)

葉緑素の中心元素。光合成に不可欠

葉の間が黄変(特に古い葉)

苦土石灰、硫酸マグネシウム

マンガン(Mn)

酵素の働きを助け、養分吸収をサポート

成長不良、斑点状の黄変

硫酸マンガン

ホウ素(B)

細胞壁の形成、花の発育を促進

花や実の奇形、根の発育不良

ホウ砂、ホウ酸

銅(Cu)

酵素の働き、成長点の活性に関与

若葉の変色、萎縮

銅剤(ボルドー液など)

亜鉛(Zn)

成長ホルモンの生成を支える

成長停滞、小型葉

硫酸亜鉛

モリブデン(Mo)

窒素代謝に関与

葉のねじれ、黄変

モリブデン肥料

🌸特にダリアやブルーベリーのような繊細な植物は、鉄やマグネシウムなどの欠乏症が葉にすぐ現れやすいです。ブルーベリーは鉄分不足による「クロロシス(葉の黄変)」が起こりやすく、酸性土壌を好むため、鉄の供給は重要です。


💡補足:微量要素は多すぎても毒性を示すことがあるので、過剰投与には注意が必要です。多くの市販肥料にはバランスよく含まれている「微量要素入り」と表示されているものもあります。



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