光合成細菌(Photosynthetic Bacteria)土壌への効果
- アサマプランツ

- 2024年12月16日
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更新日:7月28日
🌞光合成細菌(こうごうせいさいきん)は、光エネルギーを使って栄養を作り出す微生物の総称です。植物のように光合成を行いますが、酸素を発生しないタイプも多く、独自の進化を遂げた興味深い存在です。
🔬光合成細菌の特徴
光を利用して有機物を合成→ 二酸化炭素や有機酸を使って、自らの栄養源を作り出します。
酸素を発生しない光合成(非酸素発生型)→ 植物とは異なり、硫化水素などを使って光合成を行う種類もあります。
嫌気性(酸素を嫌う)環境を好む→ 田んぼ、沼、下水など、有機物が豊富で酸素が少ない場所に多く生息。
色素が豊富で赤や紫に見えることも→ バクテリオクロロフィルやカロテノイドなどの色素を持ち、光を効率よく吸収。
🧪分類と代表的な種類
分類 | 特徴 | 代表例 |
シアノバクテリア | 酸素を発生する光合成を行う | 藍藻類(アオコなど) |
紅色細菌 | キノン型反応中心を持つ | Rhodobacter属など |
緑色硫黄細菌 | 鉄硫黄型反応中心を持つ | Chlorobium属 |
ヘリオバクテリア | 嫌気性で鉄硫黄型反応中心 | Heliobacterium属 |
🌱農業での活用例
土壌改良:有害物質(硫化水素など)を分解し、根腐れを防止。
アミノ酸供給:プロリンなどのアミノ酸を分泌し、花芽形成や果実の品質向上に貢献。
病害抑制:放線菌など有益菌の増殖を助け、病原菌の抑制に役立つ。
窒素固定:一部の光合成細菌は空気中の窒素をアンモニアに変換する能力を持つ。
🌍未来への可能性
名古屋大学などの研究では、光合成細菌に窒素固定酵素(ニトロゲナーゼ)を導入することで、植物が自ら空気中の窒素を肥料に変える技術が模索されています。これは、肥料に頼らない持続可能な農業への一歩として注目されています。

🌱光合成細菌(Photosynthetic Bacteria)の効果
光合成細菌は、土壌に対していくつかの重要な効果をもたらします。以下に、主な効果を挙げます。
1. 窒素固定
光合成細菌の中には、窒素を固定する能力を持つものがあります。これにより、大気中の窒素を植物が利用できる形に変え、土壌の肥沃度を高めます。
2. 有機物の分解
有機物を分解し、土壌中の栄養素を利用しやすい形に変えることで、植物の成長を促進します。
3. 病原菌の抑制
光合成細菌は、土壌中の有害な病原菌を抑制し、植物の健康を守る役割を果たします。
4. 土壌の構造改善
土壌の粒子間にフィルムを形成し、土壌の物理的構造を改善します。これにより、水分保持力や通気性が向上します。
5. 抗酸化物質の生成
抗酸化物質を生成し、植物を酸化ストレスから守ります。これにより、植物の耐病性が向上します。
光合成細菌は、持続可能な農業において重要な役割を果たしており、化学肥料の使用量を減らし、環境への負荷を軽減することができます。


