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カルシウム資材

更新日:9月5日

カルシウム資材は、植物の細胞壁を強化し、根の発達や病害抵抗性を高めるために使われる重要な土壌改良・肥料資材です。土壌科学や持続可能な農法に関心のある方にとっては、施肥設計の要とも言える存在ですね。


🧱 カルシウム資材の主な種類と特徴

資材名

主成分

特徴

pHへの影響

備考

炭酸カルシウム(炭カル)

CaCO₃

緩やかに効く石灰資材

アルカリ性に傾ける

酸性土壌の矯正に有効

生石灰(酸化カルシウム)

CaO

強力なpH上昇効果

強アルカリ性

速効性だが扱い注意

消石灰(水酸化カルシウム)

Ca(OH)₂

pH調整とカルシウム補給

強アルカリ性

土壌消毒にも使われる

苦土石灰

CaCO₃ + MgCO₃

カルシウム+マグネシウム供給

ややアルカリ性

微量要素補給にも◎

硫酸カルシウム(石膏)

CaSO₄

水溶性で吸収されやすい

中性〜弱酸性

pHに影響せず使いやすい

有機石灰(卵殻・貝殻など)

CaCO₃(天然由来)

ゆっくり効く、微量成分も含む

穏やかなアルカリ性

有機農法に適している

🌿 カルシウムの役割と効果

  • 細胞壁の強化:ペクチンと結合して病原菌の侵入を防ぐ

  • 根の伸長促進:特に下層土へのカルシウム移行が重要

  • 病害虫への抵抗性向上:ファイトアレキシン生成を促進

  • ストレス耐性の向上:乾燥・低温・病原菌への感知力が高まる

  • 貯蔵性の改善:エチレン生成を抑制し、収穫物の品質向上

🧪 応用のヒント

  • 硫酸カルシウムは、pHを変えずにカルシウムを補給できるため、そうか病対策や**アルカリ性を避けたい作物(ジャガイモなど)**に最適。

  • 有機石灰(卵殻・貝殻)は、ゆっくり効く肥料として、苗づくりや局所施用に向いています。

  • 苦土石灰は、マグネシウム欠乏対策にも使える一石二鳥の資材。


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