🌱 バラの栄養生殖
- アサマプランツ

- 8月1日
- 読了時間: 3分
更新日:8月2日
バラは通常、種子による有性生殖ではなく、栄養生殖(無性生殖)
によって増やすことが一般的です。これは、親株の一部(茎や根など)を使って、遺伝的に同一なクローン個体を作る方法です。
✂️ バラの栄養生殖の主な方法
方法 | 特徴・ポイント |
挿し木 | 茎を切って土や水に挿すことで発根させる。最も一般的な方法。 |
接ぎ木 | 他の台木にバラの枝を接合する。品種改良や病害耐性の強化に使われる。 |
取り木 | 枝を曲げて土に埋め、根が出たら切り離す。やや時間がかかるが成功率は高い。 |
株分け | 地植えや鉢植えのバラを分割して増やす。根がしっかりしている場合に有効。 |

🌼 栄養生殖のメリット・デメリット
メリット
親株と同じ性質の花を咲かせる(色・香り・形など)
種子を使わず、比較的短期間で増やせる
品種の保存に適している
デメリット
遺伝的多様性がないため、病害虫に弱い場合がある
環境変化への適応力が低いことも
🌸 バラの生長サイクルとの関係
バラは「栄養生長(枝葉の成長)」と「生殖生長(花の開花)」を繰り返します。挿し木などで増やす際は、**栄養生長が活発な時期(春〜初夏)**を狙うと成功率が高まります。
バラの挿し木を成功させるためには、タイミングと用土選びがとても重要です。以下に、初心者でも安心して取り組めるポイントをまとめました。
🕰️ 挿し木のベストタイミング
挿し木の種類 | 時期 | 特徴・ポイント |
緑枝挿し | 5月下旬〜7月上旬(梅雨時) | 湿度が高く発根しやすい。初心者におすすめ。 |
休眠挿し | 12月〜2月(冬季) | 葉が落ちた枝を使用。管理が難しく中級者向け。 |
おすすめは梅雨時の緑枝挿しです。湿度と気温が安定していて、発根率が高くなります。
🪴 挿し木に適した土の選び方
バラの挿し木には、水はけ・通気性・保水性のバランスが良い土が理想です。
✅ おすすめの配合例
赤玉土(小粒)…6割
腐葉土…3割
パーライト…1割
この配合は、根腐れを防ぎつつ、発根を促進します。パーライトを加えることで通気性がアップし、根の張りが良くなります。
🔥 土の消毒も忘れずに
熱湯消毒:バケツに土を入れて熱湯を注ぎ、10分放置
電子レンジ消毒:耐熱容器に入れて加熱(数分)
日光消毒:ブルーシート上に厚さ5センチ程度で広げる(晴天で1日程度)
病原菌や害虫の卵を除去することで、挿し木の成功率がぐっと上がります。

🌱 ちょっとしたコツ
挿し穂はやや硬めの若い枝を選び、葉を2〜3枚残す
挿し木後は明るい日陰で管理し、土が乾かないように注意
発根促進剤(ルートンなど)を使うとさらに成功率アップ
🌹バラの品種によって、挿し木の成功率や適性には違いがあります。以下に、代表的な品種の挿し木適性をまとめました。
🧪 品種ごとの挿し木適性一覧
品種名 | 挿し木適性 | 特徴・ポイント |
クイーン・オブ・スウェーデン | ◎ | 発根率が高く、初心者にもおすすめ。花も美しく、挿し木後の成長が安定。 |
インフィニティローズ | ◎ | 室内でも育てやすく、挿し木成功例が多い。コンパクトな樹形で管理しやすい。 |
ザ・ミル・オン・ザ・フロス | ○ | 成長はややゆっくりだが、挿し木で増やせる。水切れに注意が必要。 |
オレンジジュース(切り花品種) | △ | 切り花からの挿し木は難易度高め。新鮮な枝を使えば成功例もあり。 |
ラロック(切り花品種) | △ | 同上。切り花品種は根のない状態で時間が経っていると成功率が下がる。 |
💡 挿し木成功のコツ(品種に関係なく)
新鮮な枝を使う:特に切り花品種は入荷直後のものが理想
太さは3〜5mm程度:細すぎると弱く、太すぎると水分消費が多い
葉は2〜3枚残し、半分にカット:蒸散を抑えて発根を助ける
発根促進剤(ルートン・メネデールなど)を使用:成功率がぐっと上がる



